片方だけではさみしいね

赤い手袋

| - | 17:14 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
赤い手袋

        大野悦子

 

小学生のスノーブーツの靴あとが残る雪道に

赤い手袋が片方だけ落ちていた

ジャンパーのポケットから落ちたのかな

こまっている女の子の顔が浮かぶ

それとも

友だちと

きのうのテレビの話に夢中で

落とした手袋に気がついていないかな

 

離れ離れになった赤い手袋

 

あっ あんなところに手袋がある

学校の帰り道

見つけてくるように

ガードレールにかけておいた

 

待っているよ

いっしょにうちに帰りたいな

 

                インターネット木曜手帖

        平成31年3月

 

*コメント

 雪の上の赤い手袋、印象的ですね。

大体かけていますよ。落ちていたのでしょうが

ここは現在形でまとめたほうがいいと思います。

少し気になるところ、手を入れました。

  

 赤い手袋             

                  大野悦子

 

小学生の通学路

スノーブーツの靴あとが残る雪道に

赤い手袋が片方だけ落ちている

ジャンパーのポケットから落ちたのかな

 

片方なくして

こまっている女の子の顔が浮かぶ

 

離れ離れになった赤い手袋

 

学校の帰り道

あっ あんなところに手袋がある…と

気付いてくるように

ガードレールにかけておく

 

一緒に

家に帰られるといいね

 

| - | 16:51 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
蕾の夢は・・・

蕾

| - | 00:06 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
枝先に蕾

       西脇たみ恵

 

枝先に蕾

未だ硬い蕾 花には遠い蕾

いずれ花になる夢を見て

眠っているのだろうか

 

眠っている時間さえ

明日が育つ

夢を確信に育てる時間

ゆっくりと自分を育む蕾

 

果たせなかった夢を

胸に燻ぶらせた者の庭先で

蕾が膨らむ

 

きれいに咲いて欲しい

心からそう願う

果たせなかった夢の一片(ひとひら)

蕾に託す

| 木曜会会員 | 00:05 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
芹摘み

        北上太郎

 

芹を摘む

妻とふたりで

 

休耕田が 与えてくれた

ささやかな 春のめぐみ

 

今夜

ふたりで食べるだけを 摘む

 

ふたりの 両の手は

芹の香りと 土の匂いで いっぱい

 

ときどき ぬるんだ風が

ふたりを覗いては 通りすぎる

| 木曜会会員 | 00:04 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
ゆっくり歩け

        大楠 翠

 

「ゆっくり歩け」と

寡黙な父が

ぼくに言った

 

思い返せば

父が小走りしている情景を

見たことがない

 

心にゆとりが欲しいとき

ぼくは自分に言い聞かせる

静かに父の口振りを真似て

 

「ゆっくり歩け」と   

             

 

| 木曜会会員 | 00:03 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
開花

      安井和美

 

二月下旬

僅かに暖かな日が続いた朝

梅が咲いた

 

庭の隅にある

つぼみさえ気づかなかった程の

弱々しい梅

薄ピンクの小さな愛らしさ

 

目に見えない

大きな力に促されて

こんなか細い枝でさえも

開花する強さ

| 木曜会会員 | 00:02 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
どれにしようかな

        阿部美智代

 

スーパーの 特設コーナーに

日本中の 人気のプリン

北は北海道 南は沖縄

ふるさとの 神戸のプリンも

ちゃんとある

 

ふるさとの プリンのはずなのに

はじめて見るプリン

オレンジ色の 小さな壺の

ぷくっと かわいいプリン

ひとつ買って

あとひとつ

姉の分は どれにしようかな

 

北は北海道 南は沖縄

あれもいい これもいい

迷って 迷って

日本列島をうろうろ

| 木曜会会員 | 00:02 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
雪が残したものは

        黒澤弓子

 

粉雪が

うっすら積った 椿の葉

いつもなら 見向きもしないけれど

つ・・・と 足が止まった

 

緑色のお皿に 砂糖菓子を乗せて

美味しそうに並んでいるから

 

雪のパティシエ

出来たてホヤホヤ

この冬の 新作品

 

「おひとつ いかがですか」

 

誘い上手な お菓子屋さん

 

| 木曜会会員 | 00:00 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
桜の花の切手

       宮中雲子

 

桜の花の切手

時に乗り遅れて

一年間 切手帖で眠っていた

 

桜の開花予想が

しきりになってきて

季節を先取りしようと

手紙を書いては貼る切手

 

桜の莟は

まだ固いけれど

貼るたび 花見を待つ気持ちが

心の中でざわめく

 

手紙を受け取った人も

きっと 花見の楽しさを思い浮かべて

微笑んでくれることだろう

| 木曜会(編集委員) | 00:00 | comments(0) | - | ↑TOP
bottom
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
LINKS