道に誘われて

道

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もう少し歩く

      西脇たみ恵

 

さあ どっちだ

右の道も 左の道も

こっちだ こっちだと

尤もらしい顔付き

 

切り抜けたと思っても

次々に選択が迫って来る

のべつ幕無し まった無し

人生は岐路に満ち溢れた道だ

 

どっちを選んでも

間違いでもなければ 正解でもない

ただ 現実になるだけ

 

迷いにけりをつけながら

もう少し 歩こう

未だ知らない自分と

明日 会おう

| 木曜会(編集委員) | 00:06 | comments(0) | - | ↑TOP
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黄揚羽の幼虫よ

         北上太郎

 

あした葉の新芽は

そんなに おいしいか

 

そんなに太って

ほんとに 蝶になれるのか

 

屋根に雀がきているぞ

はでな模様が目につきそうで

 

ぼくは しゃがみ込んで

葉っぱの陰に身を隠せ と

小声で 耳打ちをする

| 木曜会会員 | 00:04 | comments(0) | - | ↑TOP
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チョット・の声が

       中尾寿満子

 

「チョット 中尾さん」

六十年変わらなかった電話の声が

途切れた

 

チョット…で 昼食会

チョットで

一泊旅行へ広がっていったのに

 

四月十九日に届いた 

突然の訃報

受話器を置くことを忘れ

「チョット…」の声を探している

| 木曜会会員 | 00:04 | comments(0) | - | ↑TOP
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犬のサスケが逝って

        渡辺寿美子

 

階段を降りても

動き始める気配がない

甘えたあいさつの声がない

足に身をすり寄せる姿がない

散歩を要求する声がない

 

十五年間の見慣れた光景が

消えて

 

毎朝

とまどうばかり

| 木曜会会員 | 00:02 | comments(0) | - | ↑TOP
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心がはれない

        三輪アイ子

 

夫が

朝早くから

近所を走っていたのは

有名だった

 

それが今は

起きたのにベッドにもたれ

またねむっている

 

私の心の中はモヤモヤと

晴れない

 

| 木曜会会員 | 00:01 | comments(0) | - | ↑TOP
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落ちた花の種

       上原美代子

 

去年 自然に種が落ち芽を出す花

芽を出す時期を知っている種

 

草と一緒に出ていても「私花花」と

可愛い顔を出す

 

その中でも草に負けないように

大きい葉を出すひまわり

夏の時節にのり遅れまいと

花は自分の出番を知っている

 

 

| 木曜会会員 | 00:00 | comments(0) | - | ↑TOP
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北緯四十五度の思い出

            瀬野啓子

 

文字が薄れた

ハート型のスタンプ

 

‟日本最北端 北緯四十五度の地に

 致遠したことを 証明する‟とある

 

一緒に旅した友人四人

二人は もう居ない

 

稚内から 船で渡った

利尻島 礼文島の思い出は霧の中

 

遠い地の 遠い日の

楽しかった出来事は

ハート形のスタンプ帳の中に

| 木曜会(編集委員) | 00:00 | comments(0) | - | ↑TOP
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バスだいすき!

バス

| - | 09:04 | comments(0) | - | ↑TOP
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二歳の春

          大野悦子

 

家族を乗せた車は

古城公園に向かって

桜のトンネルを走っていた

 

チャイルドシートの蒼は

「いっぱい いっぱい 

バスいっぱい」と指をさした

運転手のパパが

思わずブレーキを踏みそうな

大きな声に驚いた

 

乗り物に興味があるその目は

駐車場に並んでいた観光バスを

見逃さなかった

 

家に帰ると

さっそく

ミニカーを並べて遊んだ

 

いっぱい いっぱい見たね

 

桜よりバスがうれしい春

桜よりバスがうれしい二歳の春・・・

 

 

     インターネット木曜手帖

          令和元年五

*コメント

 お孫さんとの今がうまくとらえられていて

いいですね。桜より観光バスに喜んでいるところ

目の付け所が面白いと思います。

チャイルドシートの蒼は…だけではわかりにくいので

“孫の蒼は”でいかがでしょう。

結びの繰り返しは、強調しておいでなのですが、

それほど効果が感じられないので、

一度にしました。

 

   二歳の春

        大野悦子

 

家族を乗せた車は

古城公園に向かって

桜のトンネルを走っていた

 

チャイルドシートの孫の蒼は

「いっぱい いっぱい 

バスいっぱい」と指をさした

運転手のパパが

思わずブレーキを踏みそうな

大きな声で

 

乗り物に興味があるその目は

駐車場に並んでいた観光バスに

向けられていたのだった

 

家に帰ると

さっそく

ミニカーを並べて遊んだ

 

いっぱい いっぱい見たね

 

桜よりバスがうれしい

二歳の春

 

| 木曜会会員(コメント) | 09:01 | comments(0) | - | ↑TOP
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