天の川はいつも空に

天の川

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北の星空観賞

        尾崎 杏子

 

夜の摩周湖の展望台で「北の星空観賞」

摩周湖の湖面にも星空が映って・・・・

 

忘れかけていた天の川が

北から南へ横たわっている 頭上にも 足下にも

子供のころにはいつでもあった天の川

 

星の大きさにも 星の数にも驚くばかり

標高が五百五十メートルと高いせいも

周囲が暗いせいも

空気が澄んでいるせいも

幾つもの幸運が重なってのことだろう

 

昔見た星空が

今も北の空には かわらずある

| 木曜会(編集委員) | 00:05 | comments(0) | - | ↑TOP
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梅雨のあいま

      中原千津子

 

飼い始めた仔犬のための 

あれこれを買いに 夫と出かけた

 

昔は難なく歩いた距離

バスで二つ目にあるショップ

 

梅雨のあいまの

思いがけない夏の日差し

来ないバス

 

夫のイライラが

わたしに押し寄せてきて

汗びっしょり

一人で来ればよかった

 

 

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梅仕事

    渡辺真知子

 

部屋中に

甘酸っぱい青梅の香り

 

黄色に熟したころが

梅仕事の始まり

 

夫が定年を迎えてから

好物の甘い梅漬を

二年がかりで会得した

 

せっかちな私に

丁寧に手を抜かずに と

梅は教えてくれる

 

二人でいる時間を思いながら

梅の教えに

時の熟成を重ねている

 

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気をつけてよ

       中尾寿満子

 

免許更新 バッチリ

後 三年頑張るよ

電話の声も明るい 久ちゃん八十四歳

 

「とうさんが運転止めたので

わたしが動かんと 畠が泣くんでね

玉葱二千本植えたので

待っとりんさいよ

 

とうさんの病院行きの送迎

仲よし四人での

骨休め温泉行きの運転手もするで」と

久ちゃんの石見弁は弾む

 

免許を持たない 私は

「気をつけてよ」と

返すだけ

 

 

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自分に問う

      片山洋

 

歳をとってきて

時に自分に問う

お前は

人に対して

誠意を持って接してきたか

人の役に立ってきたか と

 

亡き両親に

そのように問われているような気がするからだ

両親はそのようなことを

口にする人ではなかったけれど

 

自信を持って「はい」とは言えないが

「なんとか」となら言えそう

 

だから両親の遺影の前で

これからもそのように

精一杯努めますと拝む

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夏山へと・・・

       黒澤弓子

 

春に芽生えた

新芽の柔らかな 若草色から

ちょっとずつ

ちょっとずつ

雨の後には鮮やかな緑色に

太陽の日差しを浴びて

もっともっと 深い緑色に

 

まるで

絵の具を塗り重ねてゆくように

夏の絵筆が

逞しい山を つくり上げる

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この上ないおいしさ

         宮中雲子

 

台所の(かまど)の上に行平鍋

蓋をとると白粥

それが離乳期を迎えた

従弟のものとわかっていたが

 

戦争末期 薩摩芋ばかりで

白米の御飯など久しく食べていなかった

小学二年の私

 

一匙だけ

もう一口

ほどよくさめた白粥は

この世のものとも思えないおいしさ

 

半分くらい食べたところで

もうだめと自制

 

疎開中の実家で出産した叔母も

私の母も 私を咎めることはなく

それがかえって 罪の意識を強くした

 

後にも先にも

これほどおいしく思えた(ためし)のない白粥

ちょっとした罪悪感と共に

今も私の心に

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ちょっとデラックス!

ホテルのロビー

| - | 18:59 | comments(0) | - | ↑TOP
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クラスメート

      大野悦子

 

今 宇奈月温泉にいます

会えますか

 

友人からの突然のメールがうれしくて

車で一時間あまり

待ち合わせのホテルに向かった

何から話そう

どこから話そう

話すことがたくさんあり過ぎて・・・

 

会えばたちまち

高校生に戻った

話もはずんで

定年を迎えた夫や

息子に娘に孫の話を楽しんだ

腰の痛みも眼の衰えも

笑い話にできた

まわりの人が振り返るほどの

大きな声に気がついて

二人でうつむいて笑った

 

教室じゃなくて

ここはホテルのロビーだったね

 

        インターネット木曜手帖

        令和元年七月

*コメント  宮中雲子

 日常の、ちょっとした出来事をうまく

詩にしましたね。

 

「まわりの人が振り返るほどの

大きな声に気がついて

二人でうつむいて笑った」

わかるわかると、頷いています。

 

ほぼいいのですが、平凡な表現のところ

少しカットしてみました。

 

   

  クラスメート               

         大野悦子

 

今 宇奈月温泉にいます

会えますか

 

高校時代の友人から突然のメール

嬉しくて 車で一時間あまり

待ち合わせのホテルに向かった

 

会えばたちまち

高校生に戻った

話もはずんで

定年を迎えた夫や

息子や娘 孫の話も楽しんだ

腰の痛みも眼の衰えも

笑い話にできた

まわりの人が振り返るほどの

大きな声に気がついて

二人でうつむいて笑った

 

教室じゃなくて

ここはホテルのロビーだったね

 

 

| 木曜会会員(コメント) | 18:56 | comments(0) | - | ↑TOP
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