お風呂タイムはいつもバ―バと

                          尾崎杏子

 

孫の奏太朗

今年のお正月は一人で入る

ちょっと恥ずかしいからと言う

 

恥ずかしさに目覚めてしまったことに

ちょっと萎れていると

お風呂からまんまる裸で出てきて

平気でうろうろしている

 

自分を見られるのが恥ずかしいのではなく

バ―バの裸を否応なく見るのが

恥ずかしいのかもしれない

 

複雑で少々寂しいお風呂タイム

 

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落ち葉の声

      西脇たみ恵

 

なんだ ばばあか

振り向いた若者の捨て台詞

切り返す事も出来ない

真実が楔(くさび)だ

 

誰だって婆(ばばあ)は嫌い

自分だって好きじゃあない

捨てられる物なら捨てている

 

丸まった枯れ落ち葉が

踏まれて声をあげている

その声を悲鳴と

思っていなかったけれど

 

婆の語源は腰の曲がった女

背筋を伸ばしながら

落ち葉を踏まないように歩く

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南米生まれ

     西脇たみ恵

 

店頭に並んだ苗の一団

一番安い苗を一鉢

枯れても惜しくないように

元気そうなのを選んだベコニア

 

南米生まれにしては

冬も元気 明るい気質

きっと日本の風土が合ったのだ

少しぐらい水をやり損ねても

大丈夫 今日も元気

 

遠く故郷を離れて

それでも陽気な明るい色が

強い日差しを覚えている

液体肥料をあげると

花数が増え 花も大きくなると言う

 

地球の裏側へようこそ

長く付き合って行こうね

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自覚がたりない

        尾崎 杏子

 

高齢者の仲間入りして

同じ年の夫に自覚してもらおうと

車の運転 若い時より衰えたと思わない?と

切りだせば

<全然>と即答された

 

私と同じ年の従姉妹も

市の職員がおとずれ

高齢者のことでと言われ

ああ 母ならもう亡くなりましたと答えたら

いえ あなたの事ですと切り返され

唖然とした・・・・・と大笑いした

 

カルチャー教室に申し込み

初日 教室に入ってみれば私が最高齢

久々の習い事に胸をふくらませ

年の心配は皆無だったので 甚く堪えた

やっぱり私も自覚がたりない

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年賀状という形で

        宮中雲子

 

母に来た年賀状の中から

見つけた父の年賀状

几帳面な角ばった文字で

ただの年始の挨拶

 

「あんたのお父さんは

偉いお医者さんで

九州におんなはるがよ」

親戚のおばさんから

訳知り顔で聞かされたことはあったが

 

父は年賀状という形で

高校生だった私の前に

現れた

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正月早々

      西脇たみ恵

 

神様 お願い

宝くじを買えば祈り

苦しい時にも祈る

神様は聞くのに忙しい

 

当たるも八卦当たらぬも八卦

神様も占いと同じレベル

不信心を誰憚ることなく掲げ

罰当たりなことこの上ない輩

 

正月早々に

神社に参り

この一年の平安を祈る

小銭で大きな願い

 

神様は大らか

誰の願いも聞き流すほどに

気軽に聞いてくれるだけの

日本の神様が好き

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わが祖国を歌うたびに

          瀬野啓子

 

チェコを旅した日

プラハで石造のカレル橋に立った時

下を流れるモルダウ川の音が

スメタナ作曲のモルダウのメロディーに

聞こえた

 

今 この曲を歌っていると

モルダウ川の流れる音に聞こえる

 

一年中至る所で音楽会が開催されていると

いう国チェコ

 

私達も昼も夜も音楽に触れ

日常を忘れた心弾む日日だった

 

モルダウの曲に再生された旅の日を

思いながら今日も歌っているスメタナの曲

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奏ちゃんの夢

        尾崎 杏子

 

孫の奏ちゃん

ぼくが結婚したら おなじ敷地に

お父さん お母さんと

お嫁さんのお父さん お母さんの家を建て

「み〜んな一緒に暮らすんだ」と夢を話す

 

世の中の矛盾も

人と人の繋がりの難しさも

まだ何も知らない優しい奏ちゃん

 

  心のなかでは

  (ややこしやー)と叫んでいるが・・・

 

「大勢で楽しそうだね」と

奏ちゃんの夢をこわさないように・・・

 

 

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パパ はりきる

       滝波真理子

 

オオサンショウウオのパパ

いくめんパパ

たまごは ぼくが まもるんだ!

おへやに だれも いれないぞ

ママがきても だめだめって

おいはらう

ママはちょっと さびしいね

 

オオサンショウウオのパパ

がんばるパパ

たまごを ねらうやつは ゆるさん!

さかなでも カメでも

おおきなくちで がぶっがぶ

やっつける

いつもは のんびりさんなのに

 

 

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年の始め

     渡辺恵美子

 

初日の出 初もうで 初がま

書き初め お弾き初め 泳ぎ初め

初売り 初買い

年の始めは 初 初 初

 

ボクは

サッカーの初練習

初めて 

そでを通すユニホーム

初めてはく まっ白なシューズ

 

心の中まで おニューになって

やる気まんまん

サッカー場に向かう

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