ご免ネごめんネの電車

              北上太郎

 

家々の間をぬうようにして

カタコト 下駄でも履いて

いるような

車輪の音を響かせて

 

踏切では やっぱり

人を止め 車を止めて

その間を ご免ネ ごめんネ

と いうようにして

 

どの駅にも ていねいに停車して

なじみのお客を

ゆっくり 乗せたり 降ろしたり

決して 急がない

 

今 通るのは

丁度 十二時の電車

家々からは 昼どきの匂い

それを かぐようにして 通る

 

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隅田川のほとりで

             澤井克子

 

言問橋から浅草まで

隅田川のほとりを

友達三人で歩く

 

三人の期待を知って

待っていてくれたかのように

咲いていた桜の花

 

観音様にお参りしたあと

いつもあんみつ食べるのを

川の向こうのスカイツリーに

知られているような気がする

 

人波の流れにまかせて

来年もまた来ようと

約束までして歩く

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ウグイスの声

      吉田房子

 

夫の眠る

菩提寺は

いつもきれいに

掃除されて

お墓に眠る人も

気持ちがいいだろう

 

もくれんの花が終って

今は椿の季節

 

どこかで

ホーホケキョの

声がしている

 

ウグイスと言えば

梅の季節と 思っていたが

 

清々しい境内は

四月のウグイスの声もよく似合う

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ねぎ坊主

     橋本美智子

 

キッチンのカウンターのすみに

咲いているねぎ坊主

ぽあぽあの白い苞の中に

うすみどりの色がすけて見える

八百屋さんから買って来て

まだ何日でもないのに

 

おまえは観賞用の花になったつもりなの

グラスにさした

たった一つのねぎ坊主だけど

故郷の畠に私を誘ってくれる

緑の葉と白い茎の立ち並ぶ

美しい光景を思い出させてくれる

 

                                                              

 

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木曜会で会いましょう

                                小川ひろを

 

第四火曜日の夕方

いつもの「木曜会」集いの場所へ

それは谷中銀座入口に程近いところ

 

三編の作品をたずさえて

 

テーブルを囲んでの車座で

集まったみんなで廻し読み

 

批評 添削 講評など

 

さて パスする作品が

あるといいんだけれど

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舟に乗った石棺

                         片山洋

 

福岡県の五郎山古墳

石室の横の壁には舟が描かれ

舟の中央に四角形の石棺

舟の上にはたくさんの星があり

舟は星空を旅している

 

星空を旅した人は

何を夢見たのだろう

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身の置き所

       中原千津子

 

人はみな 身の置き所を探している

生まれてこの方 おなじ場所にいる人

探し求めて 彷徨う人

 

一生の過ごし方が随分ちがう

でも おしまいは一緒

 

あがいた人も

のうのうと生きた人も

悟った人も

 

最後は同じ

身の置き所

 

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拝啓ふるさとさま

            三輪アイ子

 

拝啓ふるさとさま

昔のようにあなたさまの所へ

帰りたい想いも

うすれてしまいました

年をとるということは

こうゆうことなのですね

 

会いたいと思う友達も

おおかた先に逝ってしまい

胸の中に残るのは

遠い山脈だけです

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一年生が

     渡辺寿美子

 

自転車の車輪に

夢をからめて

学生が

私の側を 走りぬけていく

 

真新しい学生服

折り目のついたズボン

背中には まっさらのエナメルバッグ

 

希望と不安の入り混じった心の現れか

表情は 少しかたい

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貝合わせ

      黒澤弓子

 

友人と和菓子店で 桜餅を注文した

程無くして出てきたのは

蛤の形をした お皿に

乗せられた きれいな桜餅とコーヒー

 

右貝と左貝を寄せ合って 写真に収める

「ほら‟貝合わせ“よ」

「私達みたいね」

違う親から生まれ

違う環境で育ったはずなのに

似た者同志 妙に馬が合って

四十五年

 

昔話に花を咲かせながら

桜餅は すっかりお腹の中へ・・・

 

| 木曜会会員 | 00:02 | comments(0) | - | ↑TOP
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