敬老の日に

         北上太郎

 

何度か仕事を探してみたが

この年齢(とし)になると

世間は とんと 当てにしていない

 

あきらめて

今は 年金生活の真っ只中

 

今こそ と 思って

若い日の夢を追い続ける 俺

気がつけば

月日に せつかれていたり

 

今日は 敬老の日

市から招待があったのでは?

と 女房に聞けば

まだ そんな年齢になっていません

と いう

 

なんだか 余裕が出来た思いに

なっている

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折り鶴ランを育てて

              渡辺寿美子

 

たてじまの葉が伸びる

葉と葉の間から 茎がでてくる

伸びた茎に 小さな葉の噴水

噴水の裏でひっそり開く象牙色の花

伸びてきた別の茎

 

日々変化していく折り鶴ランに

いつのまにか魅せられていた私

 

軒先に吊して

大事に育てていた(かあ)さん

 

折り鶴ランの小さな苗を育てて

ようやく

なき姑さんの喜びが

見えてきた

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涼しいサービス

           黒澤弓子

 

見えないけれど 確かにいる

コオロギ

 

お店の壁の中?

大きな冷蔵庫の奥?

私が立っている床の下?

 

‟いらっしゃいませ 外は暑いでしょう‟

と 透き通ったテノールで

コロコロ・・・と鳴いている

 

まだ夏の暑さが残る中

汗を拭き拭き 入って来るお客様

 

一足早い 秋のサービスです

涼んで行って下さいな

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雀の来訪

     上原美代子

 

郊外の病院に放射線治療で入院

四階の窓際

 

雀の集団が群れになって飛んでくる

話しているの? 

歌っているの?

わからないがそうぞうしい

 

パッと飛んで来て

隣の屋根の棟に一列に並ぶ

小学校の一年生のように行儀よく

みんな同じ方向を向いて囀っている

 

入院生活の退屈を

しばし まぎらわせてくれる

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投票

        小川ひろを

 

ふる里での20

投票に行った

市議会や県議会議員 市長に県知事

 

都会での50余年

投票を重ねた

区議会や都議会議員 区長や都知事など

 

年を重ねても

投票を欠かさない

 

投票に行かない 投票しないは

不戦敗だと思っている

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記憶をたどり

             中尾寿満子

 

「よもぎ入りおやきの作り方教えて」

妹からの電話

 

母はよもぎを摘んで帰ると

すぐゆがいて アクを抜き

小さく刻んで小麦粉に混ぜ

ゆっくり練って手の平で丸めた

 

こげ色がつくまで ゆっくり焼き

あつ あつ おやきを食べるのは

弟妹五人並んで いつも縁側だった

 

母が亡くなって六十七年

妹の電話に記憶をたどりながら

想い出のおやきの味へと つないでいく

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人間が見ているぞ

        安部美智代

 

真夏の昼下がり

夫と尋ねた 東本願寺

鳩は日陰で 涼しそう

けれど一羽だけ 日向の砂利に

片翼をのばし うずくまっている

 

かわいそうに

怪我をしているのか

日陰につれていこうか

夫と話していると

 

日陰の群れの中から

よく肥えた鳩が トコトコトコ

日向の鳩の そばにきた

一瞬寄り添って

また日陰へ トコトコトコ

すると 日向の鳩が立ち上がり

あとを追って トコトコトコ

サッサと 日陰へ入っていった

 

あれ? 元気な鳩だったのね

肥えた鳩は 警告にきたのかしら

「人間がじろじろ見ているぞ

気をつけろ」って

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紫のペチュニア

        片山洋

 

植込みに

紫のペチュニア

驚くほど濃いあざやかな紫

 

己が一生を

この濃い紫に凝集しようとしているのかと

思わせるほど

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風の和らぎ

          安井和美

 

真夏の昼

強い日射しに

頭も目もクラクラ回る

むせかえるほどに萌える緑が

幻影のように揺れて

頭上から

大気に蓋をされたように息苦しい

 

夕方

水色と朱鷺色の空が

穏やかに顔を見せる

見上げていたその時

涼しげな風が

頬を撫でて通り抜けた

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シルバー体操クラブ

                             小川かよ子

 

体操クラブから帰宅

さっそく復習をしてみる

ゆったりと椅子に腰を掛け

目をとじて

 

息を吸って 吐く

息を吸って 吐く

息を吸って 吐く

さらに もっと深く息を吸い込み

はーい…吸い込んだ息を

体から全て吐き出す

これだけなら

ずーっと続けられるのに・・・

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