ボクの大サービス
渡辺恵美子
いなかに行くと
おじいちゃんが喜ぶ
五目並べが大好きで
やろう やろう とせかす
小さい時は
負けてばかりだったけど
今はボクの方が強い
おじいちゃんは
負けそうになると
すぐ‟待った‟をかける
たまに負けてあげると
すごく嬉しそう
おかげで
おこづかいを貰えたりするから
時々
大サービスしてあげる
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うす氷
土屋律子
朝 にわで見つけた
バケツにあった
うす氷
手でそーっと
取って
いそいで
パパのところへ
見せようと思ったら
手の中で
水になっちゃった
また 取りに行って
パパにたのんだ
―冷とう庫に
いれといてー
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かわいい声で
北野千賀
うまれたばかりの おとうと
さいしょの ことばはなんだろう
どんな声して はなすかな
きっと
ことりみたいな かわいい声で
「おにいちゃん」って よぶだろうな
ないてばかりの おとうと
おはなし できるようになったら
けんかすることも あるだろう
それでも
ことりみたいな かわいい声で
「ごめんなさい」って あやまるかな
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神社でくじ引き
渡辺恵美子
初午(はつうま)の日
お稲荷さんで くじ引き
‟さいせん箱にたくさん入れても
いい物が当るとは限りませんよ‟と
役員のおじさんが言っている
1円か5円にしようと思っていたが
ふんぱつして10円入れた
いよいよ くじ引き
ドキドキしながら引いたくじは6等
お菓子の詰め合わせ
3等のしょうゆセットを当てて
かあさんを喜ばせたかったのに!
せめて
7等のティッシュの箱をもらいたかった
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正月に地震
渡辺恵美子
誰もが
‟おめでとう”と
あいさつしながら迎える正月
めでたい その日に
地震がやってくるなんて
何と言う事だ!
おこってみても仕方がないけれど・・・
もっとずっと前から
‟今年は地震で始まるから注意!‟
とかなんとか
知らせしてくれてもいいものを
いきなりやってくるなんて!
怒りが おさまらない
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雪が降っても
宮中雲子
小枝に並んで
くっつきっこ
きょうだい六羽の
こどものエナガ
なかよくしてると
あったかいよ
雪が降っても
温めあってる
きょうだい六羽の
こどものエナガ
長いしっぽも
おそろいよ
小枝が揺れると
いっしょに揺れてる
きょうだい六羽の
こどものエナガ
みんなで母さん
まってるよ
*エナガ…スズメより
ちょっと小さい小鳥
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ハナカマキリ
宮中雲子
蘭の花の真似をして
花になりきる
ハナカマキリ
きれいなピンクの
ハナカマキリ
虫が近くに きたとたん
カマキリの本性 まるだしで
すばやく虫を つかまえる
マレーシアの森の中
すまし顔して
ハナカマキリ
姿もやさしい
ハナカマキリ
虫に食いつく 残酷さ
カマキリの本性 だしつくし
けろりと花に また戻る
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大きくなっても
渡辺恵美子
おこられて
プイッとふくれている私を見て
‟赤ちゃんの時はかわいかったのに!‟と
かあさんが ため息
イヌやネコも
赤ちゃんの時はかわいい
クマやライオンだって
赤ちゃんの時はかわいいのに
大きくなると
こわくて近づけない
でも私は
‟大きくなって良かったね‟と
言われる人になりたい
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レンコンの穴を
大楠 翠
レンコンの穴を見ていると
いろんな顔の形して
誰かを待ってるみたいだよ
パパ ママ わたし 誰だろう
レンコンの穴の待ちびとは
誰かのお箸の抱っこかな
黙って待ってるあまえんぼ
そうかわかった すぐ食べる
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はじめてのおつかい
土屋律子
ママにたのまれ
となりにすんでいる
おばあちゃんに
ゆでたてのクリ
とどける
ドキドキしながら
背のびして
インターホンをならし
「ママがゆでたクリです
たべてください」
おばあちゃんから
「ママにごちそうさまと
つたえてね」といわれ
わすれないうちに
ママのところへ
いちもくさん
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