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五山の送り火に

         渡辺寿美子

 

八月十六日が近づくと

私の心に戻ってくる風景

 

毎年 夜八時

裏の堤防に出かけた

両親と兄と幼い私

 

手には うちわと懐中電灯

虫の音を耳にしながら

ゆっくり 歩いた

 

川からの風が

時折 頬をなでた

 

左大文字 船 妙法 ヰ 右大文字

 

一㎤ほどのオレンジ色の文字

次々と 闇の中に浮かんだ

互いに指さしあって

歓声をあげた  

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