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文鎮の裸婦

       宮中雲子

 

書道に向かう度

広げた紙を留めて横たわる

文鎮の裸婦

 

ひとつの点を打っては

首をひねり

一本の線を引いては

今いちと溜息をつき

苦悩する私におかまいなく

胸から腰を艶やかにくねらせ

気楽なポーズ

 

モデルの女性は

その製作過程に於いて

画家の注文に応え

耐えながら

ポーズをとっていたのだろうが

 

提出期限が迫り

満足出来ない一枚に

いらだつ私の目の前で

何の憂いもなさそうに横たわっている

文鎮の裸婦

| 木曜会(編集委員) | 00:04 | comments(0) | - | ↑TOP
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