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誕生日 息子へ

               大野悦子

 

昭和五十七年六月一七日の朝

大脇先生は診察をするなり

「今晩 生まれそうだ

予定日は七月二八日か

早いけれど頑張ってみるか・・・」

先生の祈りの込められたつぶやきに

私も覚悟を決めた

 

痛みが押し寄せてくるたびに

母が背中をさすってくれた

病室のベッドで破水 分娩室へ運ばれた

たくさんの声に励まされ

その日の午後三時五二分

産声を聞いた

二八三〇グラムの男の子

ほっとしたのもつかの間

ひと月あまりも早かったので

保育器のお世話になった

 

手を動かすたび

ネームバンドが抜けるほどの細い腕・・・

新生児室の窓越しに見守った

 

会える日を待っていたよ

しあわせになろうね

 

       インターネット木曜手帖

       令和二年七月

 

 

*コメント     宮中雲子

 お子さん誕生の折の不安と喜び。書きたかった

ことを、しっかり書いておいでになります。

 けれど詩としては、ちょっと欲張って、すべてを

書いてしまわれたことを残念に思います。

 一節の、お医者さんから早めに生まれそうと

聞いての決心。そのあたりで、一つ書けそうですね。

 二節の出産のあり様はまた一つの作品に。

 そして、生まれた喜び。新生児室で見守る母と

しての思い。

 それぞれ、もっと突き詰めて書くといいですね。

 この作品は、散文的ですが、あなたの経験の一つ

として、息子さんのためにも残してお上げになると

いいでしょう。

 年号など、縦書きで送っていらしたので、漢数字を

使っていたのですが、五十七とか一七のように一を

十と使ったりだと読みにくいので統一しましょう。

ここでは、横書きですので算用数字の方が読みやすい

と思います。

 

 

誕生日 息子へ

               大野悦子

 

昭和57年6月17日の朝

大脇先生は診察をするなり

「今晩 生まれそうだ

予定日は7月28日か

早いけれど頑張ってみるか・・・」

先生の祈りの込められたつぶやきに

私も覚悟を決めた

 

痛みが押し寄せてくるたびに

母が背中をさすってくれた

病室のベッドで破水 分娩室へ運ばれた

たくさんの声に励まされ

その日の午後3時52分

産声を聞いた

2830グラムの男の子

ほっとしたのもつかの間

ひと月あまりも早かったので

保育器のお世話になった

 

手を動かすたび

ネームバンドが抜けるほどの細い腕・・・

新生児室の窓越しに見守った

 

会える日を待っていたよ

しあわせになろうね

 

       インターネット木曜手帖

       令和二年七月

 

 

 

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